安易な別荘購入は危険?別荘のメリット・デメリット
別荘は、言わずとも知れた、日常生活を送っている家とは別に持つ家屋のことです。休暇や気分転換のために時間を過ごす、季節によっては避暑や避寒目的で利用することもできるでしょう。近年は、働き方もだいぶ変わり、リモートやワーケーションを推奨する企業が増えてきたため、新たな需要も。
別荘はリゾート地や風光明媚な景勝地に立てることが多いため、四季折々の景色やレジャーを楽しむことも楽しみのひとつになります。この記事では、別荘を持つ目的やメリット、デメリットも含め、別荘について詳しく解説していきます。
別荘を持つ目的とは
まず、別荘を持つ目的はどういったところにあるのでしょうか。家を2軒もつ状態になりますので維持管理費用もそれなりにかかります。そのため別荘の所有者は、やはり富裕層や資産家など、経済的にゆとりのある方が多い傾向にあります。そのような人がステータスとし所有しているのが別荘というイメージがあるでしょう。しかし、近年では中古物件なども含め初期投資を抑えて別荘を持つこともできるようになってきています。ここでは、別荘所有者が別荘を持つ目的や理由を解説します。
自分たちだけの時間の確保のため
富裕層の方や、成功者と呼ばれる方達は、多忙であることやいつも人の目がある環境下にいる時間が多いことから、自分たちだけの時間の確保も必要になります。
周辺や近隣を気にすることなく自由に過ごせる別荘は、家族や友人、ゲストなど大切な人々と充実した時間を過ごすのに別荘は最適な空間。そのための場所を確保するために別荘を所有するという方は非常に多くいます。
日常から離れるため
近年、「ストレス社会」という言葉が多く聞かれるように、仕事や人間関係に追われる多忙な日々を過ごしている方が少なくありません。忙しい日常で溜め込んだ疲労やストレスから開放されるために、意識的に日常生活から切り離された別荘で過ごす時間を持つ方も多いでしょう。別荘を活用し、心身をリラックス、リフレッシュしているという方は多くいます。
効率的な仕事のために
新型コロナウィルス感染症の感染拡大から働き方や生活スタイルのあり方が変わりました。リモート勤務やワーケーションなどインターネットのある環境であれば、いつでもどこでも仕事ができます。また、社会全体や会社がその環境を推奨するようになり、働く場所も自由度が上がっています。
自分にフィットした環境下で仕事をすることで効率も格段に上がるという結果もあり、別荘であれば、日常から離れ集中した時間を確保し仕事をすることも可能です。
大切な人との繋がる社交の場として
これは富裕層や政治家が行うことが多いのですが、同じ富裕層達とのつながり、社交の場を大事にしています。パーティーや会食等を行い、つながりを求める人との親交を深め、貴重な人的資産を形成することができます。
社交の場を持つ際に、別荘であればプライベートな空間であるため招待したい人物や友人のみなどを集め、つながりや交流を持つことができます。このようなプライベートな社交の場を持つ目的で別荘を所有する方も多数です。
別荘の種類
別荘の種類は主に「一戸建て」と「リゾートマンション」の2つがあります。ライフスタイルや、利用の用途によって選ぶ物件も変わってきます。
一戸建て
喧騒から離れた、緑豊かな地域や海沿いに建てられる傾向にあります。周辺環境にマッチするよう木造建築で落ち着いた重厚な建物が多く、庭園やプールを持つ物件もあります。場所によっては、周辺に他の建物や別荘がないプライベートな空間となることも珍しくありません。道路から玄関や室内などプライベート空間が見えないような造りになっていることも多数です。
リゾートマンション
「リゾートマンション」は、リゾートらしさを存分に感じられるのが特徴です。一戸建同様、緑豊かな地域や海沿いに建てられており、リゾート地にも多く見られます。建物は一般的なマンション以上に豪華な造りや施設を備えています。非日常的な内装、プールや温泉、ラウンジなど特別感のある設備が整っているため、手軽にリゾートライフを楽しめるでしょう。
別荘にかかる費用
別荘を所有するにあたり、初期投資として購入費用がかかります。購入後には所有している限りは、維持・管理費が発生します。一戸建、リゾートマンションいずれにおいても規模や立地、施設などによって維持費・管理費は異なります。
固定資産税
自宅同様に固定資産税がかかります。毎年1月1日時点の土地や建物の所有者が支払い義務を負う税金。税額は固定資産税評価額×1.4%で算出。「固定資産評価額」は、一般的に建物の築年数とともに年々下落していきます。しかし、場合により道路の拡張、新たな路線、施設などが増えるなど、利便性が向上するなどで不動産価値が上昇することも。
都市計画税
別荘が都市計画法による市街化区域内にある場合に課される税金です。算出方法は、固定資産税評価額×0.3%です。自治体によって異なるので、物件のある自治体に確認を取ることをおすすめします。
住民税
住民税は、別荘を所有している地域に住民票を移していなくても発生します。住民票がある自治体で「所得割」と「均等割」が課税され住民票がない別荘には「均等割」分のみ課税されます。
光熱費
毎日住んでいない、滞在していない場合でも「電気」「ガス」「水道」などの基本料金は支払うことになります。
修繕管理費
古い物件や、購入から時間を経るごとに、修繕費用がかかります。傷みやすい水回りや電気工事費用。ほかにも、自宅と同じようにシロアリの除去、ドア、床や壁の傷みなど住んでいる間に修繕が必要になってきます。また、人が室内に出入りすることが少ないと空気が流れないため、虫やカビが発生するなど、建物やそのほかの部材などが傷みやすくなるのも現実です。遠方に住んでいる場合は特に、メンテナンスも含めて定期的に通うことで、交通費やガソリン代、高速道路料金もかかってきます 税金や諸経費を合計すると、別荘にかかる維持費は少なくとも、年間30万円以上、平均で70~80万円ほどは見ておいた方が良いと言われています。また、所有する物件のある地域により、光熱費が高額になることも。別荘の大きさ、設備や特徴によっては100万円ほどかかることもあります。
別荘のメリットとデメリットとは
では次に、別荘のメリットとデメリットとは何か解説していきます。メリット、デメリットそれぞれを総合して知ることで理想の別荘ライフが叶えることができるでしょう。
別荘のメリット
はじめにメリットを見ていきましょう。プライベートの充実や自由度の高さが魅力とも言えます。
選ばれた立地
先に述べたように、別荘はある程度緑豊かな場所や、海岸線、リゾート地、風光明媚な景勝地などに建てられ、建設される場所がセレクトされた贅沢な土地になっています。そのような、豊かな自然に囲まれて、静かに暮らすことができるのがメリットでもあり魅力と言えるでしょう。
繁忙期を気にせず気分転換
別荘は、繁忙期でも予約や混雑を気にしなくても良い場所が確保されています。せっかく気分転換に来たのに、ホテルや周りがうるさくて休まらないことはありません。また、予約時間などの時間の制約が煩わしい方にはもってこいです。
人との関わり
別荘地、リゾートマンションによっては、自治体など近隣住民と関わりを持つことが少ない場所もあるため、ほかの人に気を遣わずに生活を送ることができる点もメリットといえます。休みの日まで人に関わりたくない、誰も気にせずゆっくりしたい、家族団欒を楽しみたい方には最高の場所となるでしょう。
プライベート空間の確保
普段暮している家と同じようなプライベートがリゾート地で確保されるのは安心かつ、保養という目的を達することができます。旅館やホテルでは、他の宿泊客の目が気になることも多いですが、別荘であれば人目も時間もきにすることなく自由に過ごすことができます。
別荘のデメリット
メリットが多い別荘ですが、デメリットがあることも覚えておきましょう。
維持管理が必要
先にも述べたように、金銭的にも、物理的にも維持管理の負担がかかってきます。使用していない時にも常に、光熱費の基本料金や固定資産税などの税金、傷みの進行によるメンテナンス費用なども負担しなければなりません。自分で管理が難しい場合には管理会社を利用するのも一つの手段です。
インフラの弱さ
立地が自然豊かな場所、森の中、人里離れた場所や海岸線ぞいなどという理由から、生活インフラの弱さは否めません。場所によっては道路や電車やバスなど交通インフラが整っていない場所も多いのも事実です。病院、スーパー、コンビニなども都会であれば徒歩圏内という環境ですが、別荘地は車でなければいけない場所も。また、携帯電話の電波が届きにくく、Wi-Fiがなければ通信が難しい場合もあります。
ハイシーズン以外の利用が厳しい
自然豊かであることから、ハイシーズン以外には気候や自然環境が厳しくなります。特定の季節だけを考慮した場所といっても過言ではありません。
山間部では冬には雪や寒波など寒さに耐えられないような季節も。また、海沿いのエリアでは海風や乾燥などです。いずれの時も、利用できないことはありませんが、環境的に厳しくなります。
周辺環境の変化
購入した時、購入した時期はとても静かだった場所なのに、観光地化されて人が多くなる、ハイシーズンじゃない時に物件を見にきたため静かだったなど、周辺環境が思ったようでなくなるケースもあります。長年住んでいる間に、木が伐採され自然が身近に無くなってしまった、道路ができて車の音がうるさい、通り道になってしまい、家屋のプライベート空間が見られるようになってしまうなどケースは様々です。別荘での暮らしがより良くなる変化であればいいのですが、逆であった場合に対処、解決が難しいこともあります。
自治体や不動産屋などに確認をし、都市計画や整備計画の有無、条件などを確認してから購入するようにしましょう。
移動時間の負担
別荘地は都会から離れた自然豊かな場所です。つまりは郊外への移動が必要となります。負担となるのは、移動時間や移動そのものへの疲れです。最初のうちは気にしなくても、時間が経て歳を経ると、徐々に別荘地へ帰るのが心身ともに面倒、辛くなることも。都会の喧騒から離れて「疲れを取る」ことや「癒やし」を求めて別荘に向かうのに、別荘地での生活がストレスになってしまっては、元も子もありません。自身が長距離移動に向いているか、移動を楽にするために費用負担、コストを割けるかなどを確認しておきます。
別荘を持つ目的やプランを明確に
別荘のメリットやデメリット を見ても「どうしよう」「どこが良いだろう」と取得に向けて迷うことも多いはずです。まずは、自分のライフスタイルの中で、別荘を持つ目的やプランを明確にすることが大事です。
以下の内容を軸としてプランニングすることで、なんのために持つのか、別荘を購入すべきか、どこに持つべきかなど目的がはっきりしてきます。
1.今の人生のフェーズ
2.今後の人生プラン
3.家族の状態
それぞれを加味しながら、一つ一つ確認し、目的をクリアにしていきましょう。
新たな別荘管理
近年注目を集めているのが、所有者が不在期間中の別荘を有効活用したシェアリングエコノミーサービス。このサービスは、物件の所有者にとっても、宿泊する側にとっても双方にメリットがあります。
所有者のメリット
オフィスや車、衣料なども含めて「モノの所有」から「シェア」する考え方にシフトしています。普段は使わない、使用していない時期に別荘を人に貸して、収益を得ることで、維持費の削減をすることができます。また、先述したように、建屋は人が使用しないことで傷みの進行が早くなります。利用者がいることで、建物の維持にも有効です。
宿泊する側のメリット
宿泊する側のメリットは、ホテルなどとは違った、少し贅沢な空間、普段では体験できない非日常の空間を楽しむことができます。ワーケーションや移住、別荘体験をしてみたい方にとってはいつもの旅行とは一味違った時間が過ごせます。
まとめ
この記事では、別荘を持つ目的やメリット、デメリットも含め別荘について詳しく解説してきました。
はじめに別荘を持つ目的を説明しましたが、この目的がはっきりしていないと別荘を持っても使わない、ただ維持費を払っているだけなどマイナスが大きくなってしまいます。
今の人生のフェーズ、今後の人生プラン、家族の状態を軸として、目的をクリアにすることで夢の別荘ライフが楽しめます。別荘を持つことは、メリットも多数ですが、デメリットも存在することを忘れないようにし「こんなはずじゃなかった」という事態にならないようにしましょう。デメリットの中でも最も負担となるのは「維持管理費」です。金銭面でも物理的な面でも負担が大きいのが現実です。しかし、近年注目を集めている、所有者が不在期間中の別荘を有効活用した「シェアリングエコノミーサービス」を活用することで、使用していない時期に別荘を人に貸して、収益を得ることで、維持費の削減をすることができます。このほか、別荘を使用しないことで建屋の傷みが進行しますが、誰かに利用してもらうことで防ぐことも。また、利用者にもホテルなどとは違った、少し贅沢な空間、普段では体験できない非日常の空間を楽しむことができるという双方向のメリットがあります。賢く維持管理することで、夢も広がります。
基本的な別荘の維持管理や「シェアリングエコノミーサービス」の企画など、弊社では民泊や旅館、ホテルなどさまざまな宿泊事業の企画や運営を行っております。ぜひお気軽にご相談ください。